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2009年2月11日 (水)

旅装ー野宿用品(2)

今日、倉庫の中から昔の山の道具を取り出して見ると、一人用テント一張りと寝袋が2つ出てきた。計ってみると、テントは1.2キロ、寝袋は2つ共、0.8キロだった。どうして同じ目方の寝袋が2つあるのか、思い出せない。いずれにしろ、寝袋はこのうちの一つを持っていくことになる。寝袋のカバーも出てきた。

私は昔、友人と一緒にテントを持って山旅したので、幕営の経験は結構あり、大地に直接身を横たえる時の感覚やその中の生活体験は持っている。でもこれは野宿とは言わない。やはり、野宿といえば一人で止むを得ず野に一夜を明かすという感じである。

山中で一人一夜を明かした経験で、覚えているのは、一つは、京都北山の、花折峠から入った所で、正確な場所は忘れたが、一日誰も通らないような所であった。明るかったので、もう落葉が済んでいた冬であったかも知れない。途中、沢を渡るのに足を滑らし、その拍子に眼鏡を沢に落としてしまった。近眼の人は分るのだが、眼鏡なしに眼鏡を探すのは大変難しい。泣きたい気持ちで、沢を手探りして、やっと見つけた。一人歩きは誰も助けてくれる者はいないことを身にしみて思った。酒を飲んで寝たので夜中のことは分らないが、翌朝、起きてみると、テントの傍に出していた缶詰の空き缶が獣によって綺麗になめられていた。一瞬熊かと思ったが、狐か狸かもしれない。

もう一度は、太閤記に凝っている頃で、賤ヶ岳の古戦場で一夜を過した。雑木の生い茂った山中にテントを張って、兵どもの喚声を聞く積りが、一杯飲んで、ぐっすり寝てしまった。翌日、余呉の湖に降りて、人には会わず、湖畔で絵を描いて帰ったのを覚えている。この2回ともコンロは持っていったと思う。焚き火は傍に水場があって、消火が完全に出来る所でないと怖くて出来ない。カーボーイがよく焚き火をしているが、一人だと中々できるものではない。

今度のアイルランド旅行で野宿を覚悟するのは、行きたい進路に、歩いて30キロ前後の所に宿がない場合で、あきらめて、別の道をとるか、思い切って野宿覚悟で進むかの、選択の自由を確保するためである。車社会になって、一日行程のところに宿がない可能性が高いからである。これがお遍路さんやスペインの巡礼路と違う所で、不便と言えば不便で、面白いと言えば面白く、地図と情報と判断と勇気と使うゲームなのである。

早い話が、始点、ロンドンデリーから、真っ直ぐ20キロほど南下してストラバネという町に行くと宿が一軒ある。私の行きたいのは西の方向なのだが、最も近いレタケニーという町へは40キロ以上で、ここには宿屋がいくつもあるらしい。しかし途中で草臥れたとき、野宿する羽目になる。どちらを選ぶかは、もう一つ先まで考えなければ、決めかねる。というのはその先しばらく宿がない可能性だってある。こんな時、野宿を覚悟すれば、好きな方を選べる。野宿は自由のシンボルなのである。

でもこんなことをやって見たいという不思議な欲望が人にもあるらしく、私は高校のころ、見晴らしの良い尾根で、煌々と照る月の下で、一人一夜を明かしたいと強く思ったことがある。これは未だに実現していないが、アイルランドで実現するかもしれない。その時は、余り飲まずに一夜を満喫したいものである。

一人用テント1.2キロは重すぎる。モンテベルで、コンパクトな0.9キロのツエルトを見つけた。これは1万円ほどする。これを一つの候補として、野宿用品の探索は続く。

#53

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コメント

神保町の登山用品店にいったら、コンロのスベア123というのが置いてあった。私が40年近い前に買い、売り出されてから、もう100年近く経つ機種で、まだ売られているかと、感動してしまった。

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